「その企画、全会一致で通りました」
それを聞いたとき、少しだけ不安を感じるのは、私だけでしょうか?
一見するとポジティブなことのように見える“全員賛成”。
しかし、これは新規事業において、決して喜ぶべきサインとは限りません。
“異論がない”という違和感
新しい事業やサービスのアイデアに対して、社内の誰からも反対意見が出ない。
「いいですね!」「やりましょう!」とすべてがスムーズに進んでいく。
これは一見、理想的な滑り出しに思えます。
ですが私は、ここにこそ危うさがあると考えています。
全員が“わかる範囲”でのアイデア
全員が賛成してくれるということは、
「誰にでも理解できる範囲でまとまった、無難なアイデア」になっている可能性が高いのです。
つまり、尖っていない。
尖っていないということは、特定の誰かに深く刺さることもなく、市場のノイズに紛れて、気づかれないまま消えていくかもしれません。
“賛否が割れる”企画こそ、問いが立っている
本当にインパクトのあるアイデアや問いは、必ずと言っていいほど「賛否」を生みます。
「こんなアイデア、うちの会社らしくないよ」
「誰がそんなものを使うの?」
「これは面白い! でもちょっと怖いな」
そんな声が出てくる企画は、少なくとも、人の価値観や感情に触れている証拠です。
だからこそ、「異論」を歓迎したい
INKUBOIでは、新規事業の構想段階で「全員に受け入れられるものを目指すのはやめましょう」とお伝えしています。
異論が出るということは、視点が交差しているということ。
違和感や懸念が出たところにこそ、磨くべき視点があります。
“全員賛成”は、スタート地点の合図
もしあなたの企画が、誰からも反対されなかったとしたら、、、それは「完璧」だからではなく、「安全」だからかもしれません。
新しい価値を生み出すには、時に“異論”を引き寄せる勇気が必要です。
それが問いを深め、ビジネスの突破力になると、私は信じています。
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