新規事業を始めるとき、多くの企業がまず取りかかるのが「事業計画書」です。
分厚いファイルに収められた市場分析、収支予測、KPI、実行スケジュール、、、。
一見すると、これこそが成功の鍵に見えます。
しかし、現実は必ずしもそうではありません。
立派な計画が落とし穴になる理由
計画はあくまで「仮説」です。
新規事業では、未知の要素が多く、最初の計画通りに進むことはほぼありません。
それにもかかわらず、時間と労力をかけて「完璧な計画」を作ってしまうと、
その計画に縛られ、現場の変化や顧客の反応に柔軟に対応できなくなります。
とくに大企業では、この「計画依存」が顕著です。
立派な計画が経営層への説得材料となり、承認を得やすくする一方で、
現場が「計画通りに進めること」が目的化してしまい、肝心の市場適応力が落ちます。
必要なのは「小さく動くための道筋」
新規事業に必要なのは、完璧な計画ではなく、最初の一歩を踏み出すための最低限の道筋です。
具体的には以下の3つだけで十分です。
1. 誰のどんな課題を解決するのか(顧客課題の明確化)
2. 解決方法の仮説(シンプルなプロトタイプやサービス案)
3. 検証のための行動計画(3か月以内に試す具体的アクション)
これらを持ったうえで、実際に市場に出してフィードバックを得ることが、
何よりも価値ある「計画」になります。
立派さより、学びの速さ
計画の完成度よりも、仮説を市場で検証し、学びを素早く反映する力こそが、新規事業の生命線です。
その意味では、立派な計画は時に足かせになり得ます。
紙の上で成功する事業ではなく、現場で勝てる事業をつくるために、
「計画を磨く時間」を「試す時間」に置き換えてみてください。
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