「売れないのは、価格が高いからだ」
営業の現場でも、経営会議でも、最もよく聞くフレーズのひとつです。
確かに価格は購買行動に直結する要因です。しかし、本当にそれだけが理由でしょうか?
1. 「高い」は相対評価である
価格が高いと感じるのは、それが「何か」と比較されたときです。
同じ10万円の製品でも、ある人には「破格の投資」に、別の人には「驚くほど安い価値」に映ります。
つまり「高い=売れない」ではなく、「比較対象をどう設計するか」が勝負の分かれ目です。
2. 売れない理由は“納得感”の欠如
顧客が価格を理由に購入を見送るとき、多くの場合は「その価格に見合う理由を提示できていない」ことが原因です。
性能、デザイン、ブランドストーリー、アフターサービス──これらの総合的な納得感があれば、顧客はむしろ高い価格に安心感を覚えるのです。
3. 「価格」ではなく「優先順位」の問題
顧客が「高い」と口にするとき、それは単に「今の自分の優先順位ではそこにお金を使わない」という意思表示である場合もあります。
つまり「高い」は本当の理由ではなく、断るための“便利な言葉”にすぎないことも少なくありません。
4. 問うべきは「価格」ではなく「価値」
したがって企業が問うべきは「価格を下げるかどうか」ではなく、
「この価格で、どんな価値を提供できるのか」
「顧客はその価値をどう理解し、比較するのか」
という視点です。
まとめ
「高いから売れない」と言った瞬間、思考は止まります。
価格を理由にせず、その奥にある顧客の心理や意思決定の構造を解き明かすことこそが、売上を伸ばす本質的な問いです。
INKUBOIでは
INKUBOIでは、価格設定にとどまらず、顧客に“納得感”を生むビジネス設計を支援しています。
事業やサービスの本質的な価値を再定義し、価格を超えて選ばれる仕組みを共に創り上げていきます。
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