多くの企業は、顧客からの声を集めるとき「不満点」を中心に注目します。
「ここが使いにくい」「この機能が足りない」「価格が高い」……。
もちろん改善すべきポイントとして参考になりますが、不満だけを追いかけても革新的な成長にはつながりません。
不満は表層、葛藤は本質
不満はあくまで“現象”にすぎません。
一方で葛藤とは、顧客が心の中で抱える相反する欲求や価値観のぶつかり合いのことです。
たとえば、
- 「便利さを求めたいけれど、安心感も失いたくない」
- 「コストは抑えたいけれど、品質にもこだわりたい」
- 「効率化したいけれど、人の温かみも残したい」
このような葛藤こそが、顧客の“選択”を左右する本質的な動機になります。
葛藤を見つけるための視点
ではどうすれば顧客の葛藤を捉えられるのか。
ポイントは「答え」ではなく「揺れ動き」に注目することです。
- インタビューで矛盾する発言を探す 例:「使いやすいのが一番」と言いつつ、「多少不便でも愛着がある」と語る。
- 行動と発言のギャップを観察する 例:価格に厳しいと言いながら、高価格帯の商品をリピート購入している。
- 感情の振れ幅に注目する 例:言葉よりも表情やトーンの変化が大きい場面に、本音の葛藤が隠れている。
葛藤が新しい価値を生む
顧客の不満を解決するだけでは、改善止まり。
しかし、葛藤に光を当て、それを解決・融合する提案をすれば、まったく新しい価値を創造できます。
「便利さと安心感を両立する新サービス」
「効率化しながら人の温もりを残す仕組み」
こうした“葛藤の統合”こそが、強い差別化の源泉になるのです。
まとめ
顧客の“不満”は大切ですが、それは入口にすぎません。
本当に注目すべきは、その奥にある“葛藤”。
そこにこそ、新しい事業やプロダクトが生まれるヒントがあります。
INKUBOIでは
INKUBOIでは、顧客の“不満”にとどまらず、“葛藤”を可視化する調査・設計を重視しています。
顧客の心の揺れに寄り添い、新しい選択肢を共にデザインすることで、事業の成長と差別化を支援します。
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